スカイランタン物語 北アルプス白馬の尊ハクバノミコトのお話


北アルプスの白馬岳の麓に伝わる昔はなし

スカイランタンと北アルプスの山の尊ミコト

昔むかし 日本の中央に アルプスの山々ができた時

その山々の北の方に 若くて 勇ましい山の神さま 白馬の尊(ハクバノミコト)が

おりました。

白馬の尊は 力持ちで足も速く動きも俊敏でした 智力もあり 相撲をしてもどの山の神にも負けたことがありません。

自分が日本国でもっとも 力強く勇ましく美しい神だと思っていました。

どの山々よりも険しくするために 風を吹き 嵐を呼び 岩を雄々しく

鋭くさせ 冬には雪を降らせて 雪で山々を凍らせて

自分の美しさを際立たせました。

鋭さ 険しさ 氷のような冷たさこそが 美しさだと思っていたからです。

アルプスの山の神々は 白馬の尊を乱暴者として嫌いました。

白馬の尊の山やまの麓では 人々は自然の厳しさに 稲を育てることができず

貧しく 細々とそばを育て 息をひそめるようにそっと暮らしていました。

ある春 雪解けをした山に 村人の娘が入りました。

険しい山々は 恐ろしく 娘が一人で入ることは初めてです

娘の父親が病気となり 白馬岳の中腹に湧く 薬草の湯をどうしても

父親に飲ませたくて

「山の神様 山に入ることをお許しください 私は薬草の湯を病気の父に分けて欲しいのです」といい 山に入りました。

途中の山道をなんども 迷いそうになりながらも 沢づたいに登りました

白馬の尊は 初めての娘に驚きます。

最初は 風を吹かせ 娘が早く 山から降りるようにします

娘は 大木の穴にうまく入り 風をかわします。

ゴロゴロと大きな岩を稜線づたいに転がし 娘を脅かせても

娘は 機敏に身をかわします。

「山の神様 怒っておいでですね

どうぞどうぞ お許しください。私は 私のために病気になってしまった

父を助けたいのです」

それでも 白馬の尊は 初めてみる弱々しい娘を気色悪がり

季節外れの 雪を降らして 寒さでさっさと 山を降りるようにします。

娘は 山の洞穴を見つけて そこに 木々を集めて 火を燃やして暖をとり

雪がやむのを待って 薬草の湯を目指します。

雪が降る間 娘は 自分の身の上話をしました

「山の神様 神様の村は いつも風が吹き 雨が降り 川が氾濫してしまうの

雪が秋から春まで降り続けて 寒くて寒くて 食べるものもなくて

凍えて 村の人が病気になってしまう

私の父も この冬にとうとう 寒くて病気になってしまったの

一口 あの薬草の温泉を飲ませることができたら 治るかもしれない

本当は あの温泉に体をつけてあげたら よくなるのに」

山の洞穴で 娘は 雪が止む間 静かに語りました。

そして 娘は お祈りの最初と 最後には

「山の神様 いつもいつも 私をお守りくださりありがとう」

ありがとう と言い続けたのです

山の山菜を取り 火を使い 沢の水を飲み 少しづつ安全に山の奥へ奥へ進みます

いつしか 白馬の尊は 娘のことが心配になり

山の倒木をどかしたり くまを追い払い 娘が無事に進めるように

手助けをします。

その度に 娘が 「山の神様 ありがとう」と 笑顔で進みます。

いつしか 白馬の尊は 娘の笑顔とありがとうが 気になって気になって

いつしか 嬉しくなってたまらなくなりました。

娘は 無事に 薬草の湯をもち 父親の元に帰り着き 飲ませることができました

すると 奇跡的に 回復しました。 娘の話をきき 娘の父は山の神さまに

「ありがとうございます」と 毎日 感謝の気持ちを伝えました。

すると 里山の風は やみ 川の氾濫はなくなりました。

ある日 娘が夢に 神様が現れ 言われた通り池面を掘ると 温泉も出てきました。

暖かい温泉のおかげで 雪降る寒い冬も 村人は温泉に入り病気をしなくなりました

そんな穏やかな村に ある時

南から山々の神様がやってきました 昔々 白馬の尊にコテンパンに喧嘩で

やられた神様でした。 北に追いやらやられた白馬の尊が豊かでしあわせな村となり

大神さまが大層 褒められていたことに 腹を立てて 悪さを仕掛けにきました。

嵐を呼び 風を吹き 雷を打ったのです。

その 雷に打たれて あの娘が死んでしまいます。

白馬の尊 自分の大好きな山の神様を怒らせてしまったと娘は 自らの命を引き換えに詫びようと思ったのです。

娘の無残な姿を抱いて 山の神 白馬の尊は泣きました。

人が死ぬといく 黄泉の国へ 娘を探しに行きました。

黄泉の国の王様に 自分の命と引き換えに 生き返られせてくれと頼みました。

娘と出会ったおかげで 白馬の山は 美しいお花畑ができた

緑豊かでお花が咲く夏 紅葉で赤く燃える秋 雪で白く美しい山と

岩で鋭く険しい山から 本当に美しい山になったのは

娘のおかげだから

そして 私の刺々しい心も 優しい心にしてくれたのだから

どうか 娘を返して欲しいと

娘は 生き返り 初めて 白馬の尊と出会う。

山の神様が 私の命を救ってくれたのですか ありがとう

山の神様は怒っていたのではないと知ると 娘は喜び

神様に 話した わたしには山の神さまの役割はできない

神様は あの豊かで美しい山と村をお護りください

みんなが悲しみます。

わたしは神様のそばで眠らせてくだされば うれしい。

もしも

わたしに見えるように 夏の夜 村人に空に灯篭を飛ばして欲しい

山からそれを眺めて みんなの願いをきき みんなの元気な様子が見れたら

わたしは仕合わせです。

黄泉の国から 帰った 白馬の尊は 村人に伝えて

毎年 夏の星空の美しい夜に 空飛ぶ灯篭を飛ばした。

ランタンを飛ばした人は しあわせが訪れる。

きっと山の神と娘が見守ってくれているからですね

それが 現在のスカイランタンなのです。

スカイランタンに 願いを込めて 飛ばしましょう。

山の神が 静かに 微笑んで見ています。

叶うかもしれません。

今年も スカイランタン 飛ばしました


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中村ゆかり

中村ゆかり

株式会社五龍舘 代表取締役社長 長野県白馬村にて ホテル五龍館(ごりゅうかん)を経営する 前職は、百貨店にて外資系化粧品の販売を12年。結婚し白馬へ。 4代目経営者となる。家族は主人と娘2人です 食べること飲むこと大好き!絶賛キッチンドリンカーです 大学の国際観光学科の講義やゼミ生と観光イベント実践のお手伝いもしています。

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